近年、西日本豪雨や台風被害など甚大な気象災害が頻発しています。地球温暖化の影響などにより、より一層、災害が激甚化することが予想されており、防災インフラだけでは市民の生命や財産を守ることは難しく、気象情報の有効活用により、迅速に避難することが欠かせません。
天気予報の技術は進歩し、私が気象業界に入った約30年前に比べると、格段に予報精度が良くなり、きめ細かい情報も発表できるようになりました。その一方で、多種多様な情報が増えたことで、市民の皆さんにとってはわかりにくくなっており、的確な情報をいかにわかりやすく伝え、迅速に避難できるかが課題となっています。
近い将来、AI技術などにより、個人の避難行動を促す情報を提供できるようになるでしょう。しかしながら、市民の皆さんが情報を正しく理解するとともに、個人の防災力の向上がなければ、適切な避難行動に繋がらず、被害の軽減になりません。
そういった意味でも、今後は情報伝達や防災教育などの気象コミュニケーションがますます重要になると考えています。“伝わる情報”、“市民に寄り添う情報”を発信できる、信頼される気象キャスターを全国の放送局に派遣し、気象災害による犠牲者ゼロを目指します。
また、気象コミュニケーションは、防災・減災にとどまらず、地球温暖化対策やキャリア教育、農業・漁業、観光や地域活性化などにも役立つと考えており、気象コミュニケーションの力で、安心安全な暮らしとともに、笑顔になる地域社会、子供たちの明るい未来を創造します。
オフィス気象キャスター株式会社
代表取締役
岩谷 忠幸
岩谷 忠幸(いわや ただゆき)
1969年生まれ、東京都出身。東京都立大学(首都大学東京)理学部地理学科卒業。
大学では「気候学(局地風や都市気候)」を専攻するとともに、ワンダーフォーゲル部の主将として全国各地の山を登る。卒業後は気象会社にて天気原稿や局地予報、ラジオ出演などを経験したのち、第1回気象予報士試験に合格したのをきっかけに、フジテレビや日本テレビの気象キャスターとして、約14年間出演。その間、フランスで開催された国際気象フェスティバルにて「アジア賞」受賞。2004年2月にNPO法人気象キャスターネットワークを創設。文部科学省「地球観測推進部会」、東京都「クールネット連絡協議会」、埼玉県「土砂災害検討委員会」などの委員、地球温暖化防止全国ネット主催「脱炭素チャレンジカップ」審査員などを務める。